個人事業主や小さい会社の税金対策

個人事業主や小さい会社の税金対策について少しずつ解説していきます。節税のやり方を間違えて逆に損をしてしまう人は多いので気をつけましょう。

中小企業倒産防止共済は小規模企業共済とは違ってどちらかと言うと税金の先送り

個人事業主は中小企業倒産防止共済というものに加入して経費を増やすことができます。ただし、この中小企業倒産防止共済は小規模企業共済とは違ってどちらかと言うと税金の先送りをすることができるシステムです。掛け金は最大で800万円で、これが帰ってくるときには所得扱いになってしまうためその時の税金が多くなってしまうでしょう。ここは小規模企業共済との大きな違いということになりますが、長い期間で見たときに有効活用できそうな場合には加入してみると良いかもしれませんね。

 

もちろん途中で解約した場合には掛け金全額が戻ってくるというわけではありません。有効な活用法としては、個人事業主の場合には売り上げが多い年やすくない年があるわけですから、そういった時の備えとして掛け金をプールしておくという考え方ができるでしょう。本来は中小企業の連鎖倒産を防ぐ目的で使われているものですが、多くの場合は節税対策として使っていることが多いです。国としてもそれを防ぐということはしていませんからある程度は計算された節税方法として認められているということになりますね。個人事業主が加入できるこの中小企業倒産防止共済ですが、法人化を考えている場合には個人事業主の時代からの掛け金を引き継ぐことも可能です。

赤字の時こそ確定申告を行わなければなりません

サラリーマンではなく個人事業主としてビジネスをしている場合には、毎年必ず確定申告をすることになります。自分は赤字だから確定申告は関係ない、なんて考えている人もたまにいるようですが本来は青色申告を行っているのであれば赤字の時こそ確定申告を行わなければなりません。それはともかく、自分自身で確定申告をして税額を算出していると税金が非常に高いと考えてしまうことがあります。考えてしまうというか個人事業主の場合は使える節税制度が少ないのでどうしても税金の額が高くなってしまうんですよね。

 

それでもいくつかは効果のある節税制度もあるのでここで紹介していこうと思います。まず、最低でも白色申告ではなくて青色申告は行うべきでしょう。当たり前すぎて気がつかないこともありますが、青色申告特別控除というのは個人事業主が使える節税制度の中でも最も大きいものです。複式簿記が必要となるので毎日の会計作業が少し煩雑になるかもしれませんが、それを補って余りあるほどのメリットがあります。もう一つ青色申告以外に検討しておきたいのは小規模企業共済での加入でしょう。毎年決まった金額を積み立てていくような感じの共済制度で、長く加入すればするほど返ってくる金額も多くなります。また、小規模企業共済での掛け金は確定申告の際に控除対象となるので所得税や住民税の節税効果があります。もちろん、結構先のことを考えて加入しないと損をすることもあるので注意は必要です。

所得税の支払い額は個人事業主の方がどうしても多くなります

サラリーマンでも当然所得税を納めているわけですが、個人事業主だと自分で確定申告で計算して税金を払っているのでその負担がとても重く思われるでしょう。そもそも、個人事業主の場合にはサラリーマンが知らずに使っている給与所得控除というものがありません。ですから、同じくらいの収入があったとしても所得税の支払い額は個人事業主の方がどうしても多くなります。世間一般的に個人事業主というのは何でもかんでも経費にしているので税金をごまかしているというイメージで考えられていますが、実際のところは税金をごまかしていたら税務署がやってくるのでそんなにうまくいくものではありません。

 

確かに青色申告を利用すれば使っていない65万円の経費が確定申告の際に参入することもできますが、サラリーマンが使っている給与所得控除には全く及ばないと言っていいでしょう。所得税だけではなくて住民税にもこれは影響しますし、個人事業主の場合にはサラリーマンには全く関係のない事業税が大きくダメージを与えてきます。実際に自分で事業を行っていないサラリーマンが税金の解説サイトを書いたりすると、事業税には290万円の事業主控除があるのでとてもありがたい制度だなどと解説していることがあるのですが、そもそもサラリーマンは事業税を支払っていませんから個人事業主にとってこの控除はお得でもなんでもなくただただ損をしているだけの税金です。