個人事業主や小さい会社の税金対策

個人事業主や小さい会社の税金対策について少しずつ解説していきます。節税のやり方を間違えて逆に損をしてしまう人は多いので気をつけましょう。

翌年分の費用を支払った場合には原則として

翌年分の費用を支払った場合には原則として当期の必要経費として確定申告の時に参入することはできません。これは事前に支払ったからといって過大な経費を計上して永久に税金の先送りをすることを防ぐためのシステムです。しかし、経理事務の煩雑化を防ぐためにある程度の条件を満たした場合の前払費用については現在の必要経費として確定申告時に計上することが可能になっています。これは短期前払費用の特例と言われるものですが、毎年継続して前払をしたり支払った日から1年以内に提供を受けるサービスについてはこの制度を利用して必要経費に繰り入れることができます。

 

代表的なものとしては事務所の家賃を年払い契約にして向こう1年分の経費を増やすという感じですね。もっとも、節税対策としては最初の1回分を先送りできるだけですからそれほどの効果はないと言えるでしょう。どちらかと言うと日常の仕分けや確定申告しの手間を防ぐために使うものだと考えておいた方がいいかもしれませんね。

少額減価償却資産の特例

個人事業主であっても数十万円になるような高額な消耗品を購入することはありますよね。こうした場合は、通常は資産計上行って毎年少しずつ減価償却をすることになります。しかし、大きな出費があった場合には1度に経費化できないと苦しい場合もあります。そういった時の対策として少額減価償却資産の特例といえるものが存在します。合計限度額はあるのですが、青色申告をしているのであれば事業に必要な30万円未満のものを一括で経費にすることが可能です。こういった点を考えてみても個人事業主が白色申告をしているというのはあまり有利とは言えませんね。

 

簿記の知識が全く無いとか確定申告がめんどくさいとかって言う人が多いですが、場合によっては税理士にお金を払ってやってもらったときであっても決算料を考慮した時に手元に残るお金が多くなるということすらあります。その年の経費として一括で処理する以外にも3年で償却する一括償却資産として計上することも可能になっています。こちらは20万円未満という条件がついていますが場合によっては検討してみるといいですね。もっとも、昔はパソコンなんかは高額のものが多かったのですが、最近は数万円でかなり高性能なものが購入できるようになっているので個人事業主フリーランスの人であってもこの制度を利用することは少なくなってきているかもしれませんね。

中小企業倒産防止共済は小規模企業共済とは違ってどちらかと言うと税金の先送り

個人事業主は中小企業倒産防止共済というものに加入して経費を増やすことができます。ただし、この中小企業倒産防止共済は小規模企業共済とは違ってどちらかと言うと税金の先送りをすることができるシステムです。掛け金は最大で800万円で、これが帰ってくるときには所得扱いになってしまうためその時の税金が多くなってしまうでしょう。ここは小規模企業共済との大きな違いということになりますが、長い期間で見たときに有効活用できそうな場合には加入してみると良いかもしれませんね。

 

もちろん途中で解約した場合には掛け金全額が戻ってくるというわけではありません。有効な活用法としては、個人事業主の場合には売り上げが多い年やすくない年があるわけですから、そういった時の備えとして掛け金をプールしておくという考え方ができるでしょう。本来は中小企業の連鎖倒産を防ぐ目的で使われているものですが、多くの場合は節税対策として使っていることが多いです。国としてもそれを防ぐということはしていませんからある程度は計算された節税方法として認められているということになりますね。個人事業主が加入できるこの中小企業倒産防止共済ですが、法人化を考えている場合には個人事業主の時代からの掛け金を引き継ぐことも可能です。